コラム

よくわかる心理学講座 vol.9~勉強ができないと「学習障害」なの?~

 勉強ができないとき、「もしかして学習障害かも」と考えたことがある人もいるかもしれません。しかし、学習障害は少し勉強ができない(成績が悪い)程度で当てはまるものではありません。学習障害は、主に文字の読み書きができない「読字障害」、言葉の綴りや文法が分からない「書字障害」、計算ができない「計算障害」に分類されます。

主な学習障害

読字障害

 文字を読むことができない場合だけでなく、書くことができない場合も読字障害に含まれます。文字の形を正確に認識することが困難であったり、音に変換することが困難であったりという症状がみられます。また、文章を読んでいるときに行を飛ばしたり、どこを読んでいるかが分からなくなることもあります。なお、読み書きができない反面、創造的な思考が優れていることがあります。

書字障害

 正しい言葉(単語)の綴りや、文法で書くことができない障害です。たとえば、「め」と「ぬ」の綴りを間違えたり、「っ」や「ゃ」を抜かして書き綴る場合があります。文章の構成を考えることを苦手とするケースや、授業中に黒板をノートに写す作業が困難となるケースもみられます。

計算障害

 数字や計算の記号の理解が難しかったり、単純な計算(暗算)が困難だったりすることがみられます。繰り上がりや繰り下がりが理解できないことで計算に多くの時間がかかることもあります。

 上記の3つの障害以外にも、空間認識や推論が困難となる学習障害もあります。頭の中で物の形や位置を正しく認識することに苦労する様子や、角度の理解が乏しい様子がみられることもあります。

 こうした学習障害は、生まれながらに患っている場合(生物学的要因)や、生まれ育った環境によって患う場合(環境的要因)などがあります。子どもの段階で発見されることもあれば、大人になって初めて発見されることもあります。

どうやって見つければいい?


 学習障害を発見するためには、子どもの観察が重要です。たとえば、筆記用具が適切に使用できているかや、親の指示や依頼をどこまで理解できているかなど、日常生活の中でさまざまな場面に目を配り、行動に違和感がないかを探ります。また、親の目から離れている学校などでも違和感がないかを教師に聞くということも大切です。それ以外にも、病院などで検査を受けるという方法もあります。

◆参考文献
発達と学習 (Next教科書シリーズ)

関連書籍

関連記事

  1. 異を唱える者をも従わせる「権威と服従の心理学」
  2. 脳科学が学べる大学・大学院
  3. 参考文献・参考サイト一覧
  4. 知能の進化・発達に限界はあるか。~137億年前に定められた物理学…
  5. よくわかる心理学講座 vol.22~「心理療法」にはどんな種類が…
  6. よくわかる心理学講座 vol.2~心理学者ナップの「恋愛関係の段…
  7. 子どもから大人への第一歩は、「心の理論」の理解
    ~“相手の…
  8. 今日からできる! ストレスを打ち消すための食事と運動
PAGE TOP