コラム

脳の基本構造ー各部位の名称と機能についてー

【目次】
1.大脳・小脳・脳幹
・1-1.大脳
・1-2.小脳
・1-3.脳幹
2.前頭葉・頭頂葉・側頭葉・後頭葉
・2-1.前頭葉
・2-2.頭頂葉
・2-3.側頭葉
・2-4.後頭葉
3.その他の部位と機能

1.大脳・小脳・脳幹


 ヒトの脳は脳脊髄液という液体とともに頭蓋骨の中に収まっており、大脳、小脳、脳幹から構成される。重量は、成人で体重の2%程度の1.5kg前後、個人差がある。脳を形成するのは、主に「神経細胞」と「グリア細胞」である。神経細胞の数は生まれた瞬間が最も多く3歳頃までに急速に減少するが、神経細胞どうしのつながりはその後に広がっていく。

 脳は主に炭水化物を分解したグルコース(ブドウ糖)をエネルギー源としている。身体の器官の中で特にエネルギーを消費する器官であり、全身の供給量の20%を消費している。

|1-1.大脳

 脳全体を覆うように存在し、脳の部位で最も大きい。総脳量の85%を占め、思考や感情などヒトの人間らしい機能を司っている。表面は厚さ3mmほどの大脳皮質(灰白質)と、その内部にある髄質(白質)で構成される。

 大脳皮質には原皮質、古皮質、新皮質があり、新比率は大脳表面に並行に重なる第Ⅰ~第Ⅵ層(分子層、外顆粒層、外錐体細胞層、内顆粒層、内錐体細胞層、多形細胞層)で構成されている。

|1-2.小脳

 大脳に次いで大きく、総脳量の10%を占める。身体全体の平衡を保ち、知覚と運動機能を司る。表面は細かなひだ状になっている。3対の小脳脚がそれぞれ脳幹の中脳、橋(きょう)、延髄と結びついている。
 小脳の溝(こう(※しわ))は大脳の溝よりも幅が狭く、2~3mmで規則的に入っている。そのため、表面積で比較すると大脳の75%程度となっている。

|1-3.脳幹

 中脳、橋(きょう)、延髄で構成される。脳の中央下部に位置し、生命の維持に関わる機能を司る。脊柱管内を通る脊髄へとつながっている。大脳との間に視床や視床下部などで構成されている「間脳」があり、広義には脳幹に含まれることがある。

2.前頭葉・頭頂葉・側頭葉・後頭葉


 大脳は、中心溝と外側溝という大きな溝と、頭頂後頭溝を境に「前頭葉」「頭頂葉」「側頭葉」「後頭葉」の4つに分けられる。

|2-1.前頭葉

 大脳皮質の容積の約30%を占める。思考や判断など高度な知的活動の中枢であり、運動を司る一次運用野などもある。

|2-2.頭頂葉

 痛みや温度などを感じる体性感覚野(皮膚感覚)がある。

|2-3.側頭葉

 音声を理解する聴覚野や文字の意味を理解するウェルニッケ野がある。記憶や嗅覚にも関わっている。

|2-4.後頭葉

 視覚野があり、視覚や色彩の認識などに関わっている。

3.その他の部位と機能


(随時更新予定)

|①前頭葉

「・2-1.前頭葉」参照

|②辺縁葉(大脳辺縁系)

大脳の表面を占める大脳皮質の内側にあり、帯状回や脳弓、扁桃体、海馬などの部位で構成されている。

|③中心前回

頭頂葉との境目である中心溝の前方部。

|④中心溝

前頭葉、頭頂葉を分ける深いしわ。「ローランド裂」とも呼ばれる。

|⑤中心後回

頭頂葉との境目である中心溝の後方部。

|⑥頭頂葉

「・2-2.頭頂葉」参照

|⑦脳弓

海馬と乳頭体をつなぐ神経線維の束。弓のような形をしている。

|⑧頭頂後頭溝

大脳の後部にあるしわ。頭頂葉と後頭葉を分けている。外側からは少ししか見えていない。

|⑨後頭葉

「・2-4.後頭葉」参照

|⑩視床

視覚、聴覚、体性感覚など、嗅覚以外の感覚情報を中継する。

|⑪松果体

睡眠に関わるホルモンを分泌する、豆粒大の内分泌器官。

|⑫小脳

「・1-2.小脳」参照

|⑬四丘体(中脳蓋)

|⑭第四脳室

脳幹背側および小脳腹側との間にあり、クモ膜下腔と連絡している。

|⑮中脳水道

シルビウス水道とも呼ばれ、第三脳室と第四脳室をつないでいる。

|⑯脊髄

脊柱管内に位置する。脳と全身を結ぶ神経の束を含む脳と脊髄の2つを合せて、中枢神経系という。

|⑰延髄

脳の最下部に位置し、中枢神経系の一部である脊髄へとつながっている。脊髄との明確な境界はない。呼吸、血管の収縮と拡張を司り、生体機能を制御する。

|⑱橋

多くの神経核が存在する。運動に関わる情報などを中継する。上橋溝、下橋溝という2つの溝で、上下の部位と区別される。上部には中脳が続く。

|⑲大脳脚

中脳の腹側面にある1対の太い繊維束。大脳半球深部に接続している。

|⑳乳頭体

形状が乳頭に似ている、視床下部の一部。記憶回路の一部として機能する。

|㉑側頭葉

「・2-3.側頭葉」参照

|㉒脳下垂体

成長ホルモンをはじめとする、多数のホルモンを分泌する内分泌器官。

|㉓視交叉

2本の視神経が交叉し、それぞれ反対側の半球へ向かう場所。

|㉔視床下部

身体の自律神経と内臓機能、内分泌機能をコントロール。

|㉕中隔(透明中隔)

|㉖脳梁

左右の大脳半球をつないでいる部分。神経線維が束になっている。前頭葉側の脳梁吻(のうりょうふん)、後部の脳梁膨大(のうりょうぼうだい)で構成される。

【参考文献】
・ぜんぶわかる脳の事典(成美堂出版)
・大人のための図鑑 脳と心のしくみ(新星出版社)

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