コラム

よくわかる心理学講座 vol.5~コミュ障(コミュニケーション障害)は 病気?それとも性格?~

 日常生活の中で、またはインターネットのように互いの顔がみえない場所では、誹謗中傷のひとつとして「コミュ障(コミュ症)」という言葉が行き交うことがしばしばあります。コミュ障は「コミュニケーション障害」の略で、疾患(病気)のひとつに含まれます。(ただし、日常生活の中ではもっと軽い意味合いで使用される傾向があります。)

主なコミュニケーション障害


 コミュニケーション障害は、言語・非言語、または視覚的概念の処理・理解に関する疾患(病気)です。症状は、言葉を話したり聞いたりする場面で現れます。主な症状には「言語症」「語音症」「小児期発症流暢症(吃音)」などがあります。

言語症

 周囲の人たちの言葉が理解できない「受容性言語障害」や、自分を考えを言葉で伝えられない「表出性言語障害」などがあります。また、その両方が現れる「受容・表出混合性言語障害」もあります。生後1年6ヶ月までに2~3語しか覚えない場合や、親に笑い返したりしない場合には注意が必要です。

語音症

 音を出して言葉を話すことが難しく、誤った発音をしてしまう症状です。他人の言葉は理解できるにもかかわらず、自分が伝えたいことが伝えられないという特徴があります。小さな子どもであれば心配ありませんが、8歳を過ぎても正しく発音できない場合には注意が必要です。

小児期発症流暢症(吃音)

 どもったりつっかえたりしながら話す傾向がみられる症状です。同じ単語を繰り返したり、音を不自然に引き延ばすといった特徴があります。また、人前で話すことを避けたり、相手の気をそらすために咳払いや頭・身体を動かすなどして症状を隠そうとすることもあります。

 なお、上記の3つの症状とは別に、「社会的コミュニケーション症」という症状もあります。主に、状況に応じた言葉づかいができない、あいさつなどができない、言葉以外のコミュニケーション(会話の順番を守るなど)といった特徴があります。

治療法はあるの?


 主な治療法としては、言語の発達を助けるための環境を家庭で用意する家族療法や、言語聴覚士による言語聴覚療法などがあります。コミュニケーション障害の原因は多岐にわたり、後天的なもの(=生まれた後に原因があるもの)もあれば先天的なもの(=生まれる前に原因があるもの)もあるため、一概に断定することはできません。症状の治療のためには早期の発見が重要のため、不安があれば病院などで診断してもらうことが大切です。

関連書籍

関連記事

  1. 「暴力の人類史」にみる狂気・悪意・犯罪の脳科学・心理学
  2. よくわかる心理学講座 vol.22~「心理療法」にはどんな種類が…
  3. よくわかる心理学講座 vol.23~「薬物療法」にはどんな種類が…
  4. 異を唱える者をも従わせる「権威と服従の心理学」
  5. よくわかる心理学講座 vol.21~「心の健康」と「身体の健康」…
  6. よくわかる心理学講座 vol.14~そもそも、なぜヒトには感情が…
  7. 脳の成長の80年~生後0日からみる、年齢別の脳の変化~
  8. よくわかる心理学講座 vol.17~成人期の人間関係を決める 乳…
PAGE TOP