コラム

よくわかる心理学講座 vol.13~脳の中でどうやって感情や意志が生まれるの?~

 ヒトの感情や意志がどこから生まれるのかという疑問は、多くの人が一度は考えたことがあるかもしれません。誰にでもある感情や意志ですが、その発生原因まで深く考えたことがあるという人は少ないかもしれません。脳の中で感情が生じるのは、主に脳内で神経伝達物質と呼ばれる脳内物質が作用しているからです。

感情を引き起こす主な神経伝達物質


 ヒトの脳内にある神経伝達物質の種類は、およそ100種類といわれています。代表的なものに以下のものがあります。

アドレナリン

 ストレスのかかる状況で放出される神経伝達物質です。身体の活力を高めることで心拍数を増加させ、血圧の上昇、筋肉への血流増加を引き起こす効果があります。

ノルアドレナリン

 アドレナリンと同様に、「闘争・逃走反応(fight-or-flight response)」に関わる興奮性の神経伝達物質です。覚醒力が強く、気分を高揚させたり血圧を上昇させたりします。不安や注意にも関わっています。

アセチルコリン

 主に興奮性の作用を持つ神経伝達物質です。骨格筋の活動を促す効果があります。また、記憶や学習、睡眠にも関わっています。

グルタミン酸

 アミノ酸の一種で、大脳皮質や海馬、小脳にあります。興奮性の作用を持ち、記憶や学習に関わっています。

GABA(ギャバ)

 抑制性の作用を持ち、ニューロンの発火を抑制して鎮静作用を促します。主に不安を和らげたり、睡眠を促す効果があります。別名でγ(ガンマ)‐アミノ酪酸とも呼ばれます。

セロトニン

 抑制性の作用を持ち、気分の落ち着きや向上に関わります。また、食欲や体温、筋肉の動きを調整する働きがあります。必須アミノ酸のひとつであるトリプトファンからつくられます。

ドーパミン

 興奮性と抑制性のいずれの働きもする神経伝達物質です。報酬によって動機づけられる行動に重要な役割を果たし、精神活動を活発にして快感を与える効果があります。

エンドルフィン

 痛みの信号伝達を抑制する作用をもち、痛みの緩和や幸福感に関わります。

神経伝達物質とニューロンの関係って?


 ヒトの脳内には、約800億個の神経細胞があります。これがいわゆる「ニューロン」と呼ばれるものです。ニューロンは他のニューロンとわずかな隙間をのこして結合してい(るようにみえ)ます。神経伝達物質は、このニューロンとニューロンの間でやりとりされ、脳の他の場所や身体全体に到達します。基本的な流れとしては、脳内で神経伝達物質が分泌され、それが身体の各器官に送られます。神経伝達物質を受け取った各器官はホルモンを分泌し、ホルモンが血液に乗って全身を巡り、身体を健康にしたり病気にしたりします。

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