コラム

よくわかる心理学講座 vol.12~記憶の性質や種類をわかりやすく解説~

 誰の身近にもありながら、その性質や特徴に関しては多くの人が詳しく知らない「記憶」。学生にとっても社会人にとっても、記憶は自身の生活に深く関わるものです。一口に記憶といってもその種類はさまざまで、学者や研究者によって分類が異なることもありますが、概ね3~5つの種類に分類されます。

主な記憶の種類

エピソード記憶

 過去の出来事や経験の記憶です。子どもの頃に遊んだ記憶や、先週の日曜日の行動などが当てはまります。感覚や感情に関する情報と強い結びつきがあります。

意味記憶

 主に知識に関する記憶です。単語の意味や物の名前などが当てはまります。

作業記憶

 一時的に覚えておく記憶です。聞いた電話番号や名前をメモするまでの数秒間だけ記憶されている情報で、短期記憶とも呼ばれています。

手続き記憶

 特に意識することなく行動に移す際の記憶で、自転車の乗り方や歩き方、または音楽家の楽器演奏などが当てはまります。

潜在記憶

 行動に影響を与える無意識の記憶です。意識には上っていなくても無意識に存在しているため、いわゆる「イヤな予感」などもこれに当てはまります。

記憶が蓄積されている時間

 目や耳などの感覚器官を通じて受け取られた情報は、その全てが記憶としてずっと定着するというわけではありません。単純な感情や感覚、注意などは0.2秒~0.5秒ほどで記憶から消えるといわれています。これに対して、上述したような作業記憶(=メモをとり終えるまで覚えておく記憶)などは、0.5秒~10分程度で消失します。この短期記憶を繰り返し思い出すことで固定化され、場合によっては数年間にわたって維持される長期記憶になります。

どうすれば記憶を維持できる?


 イギリスの心理学者であるアラン・バドリーは、ヒトが記憶を想起するとき、その記憶の手がかりとなる情報を参考にして必要な情報を思い出していることを実験によってつきとめました。アラン・ハドリーは、被験者に陸上と水中でそれぞれ異なる言葉を覚えてもらい、それぞれの環境(=陸上と水中)でどれくらい思い出せるかを実験しました。その結果、陸上では陸上で覚えた単語を簡単に思い出し、水中では水中で覚えた単語を簡単に思い出す傾向がみられました。
 日常生活の中では、部屋に物を取りに行ったが何を取りにきたかを思い出せず、元の部屋に戻った瞬間に思い出すといったケースがこの実験結果に近いといえます。

◆記憶についてもっと詳しく知りたい方はコチラ↓
【記憶の脳科学】なぜヒトは覚え、忘れるのか~記憶の仕組み/記憶力を高める方法~

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