よくわかる心理学講座

よくわかる心理学講座 vol.11~心理療法のキホン「行動主義的アプローチ」って?~

 1900年初頭にジークムント・フロイトが提唱した「精神分析理論」は、心の中にのみ焦点をおいたものでした。これに対して1913年ごろにジョン・B・ワトソンが発表した「行動主義者からみた心理学」は、ヒトの外部に現れる行動に焦点をおいたことで注目されました。この「行動主義」は、3つに大別することができます。

さまざまな「行動主義」


 行動主義心理学の出発点は、ヒトの外部に現れた観察可能な行動だけに焦点を当てるというものです。これは、心理学が“科学”であることから、実験と観察から得られる測定可能なデータに基づくものであるべきという考えに基づいています。一口に「行動主義」といっても、その種類はさまざまです。

方法論的行動主義

 ワトソンが提唱した行動主義であり、ヒトの外部に現れる行動のみを観察対象としています。ヒトのDNAや感情、認知を考慮しないという点で、最も極端な理論となっています。

徹底的行動主義

 1930年代にB・F・スキナーが提唱した理論で、ヒトの外部に現れる行動だけでなく、ヒトのDNAなどの生物学的要因も行動に影響を与えると主張しました。

心理学的行動主義

 アーサー・W・スターツが提唱した行動主義で、現在の心理学に大きな影響を与えました。ヒトの人格は学習された行動や遺伝的特徴、感情、認知によって形作られるという立場で、ワトソンが提唱した原始的な行動主義に比べると、外部に現れた行動だけでなく内部の精神活動にも多く注目しています。

3つの行動主義の共通点って?


 いずれの行動主義にも共通しているのは、ヒトの行動は、自身が身を置いている環境、すなわち外部の世界によって形づくられるという点です。この考え方が根底にあり、それぞれの行動主義によって環境以外の要因が占める割合が異なっています。

 こうした外部世界の環境や刺激によってヒトの行動が形づくられるという考えから、パブロフの犬でおなじみの「古典的条件付け」や「オペラント条件付け」という理論が確認されました。
 「古典的条件付け」は、イヌにエサを与える際にベルを鳴らすことを繰り返すとイヌはベルの音を聞くだけで唾液を出すようになるという有名な実験でも知られています。
 「オペラント条件付け」は、報酬を与えて良い行動を促すことや、罰を与えて悪い行動を抑止すること目指すときなどに用いられます。

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